1.  > 
  2.  > 
  3. 第11回お国自慢ふるさとコンクール -俳句部門 結果発表-

第11回お国自慢ふるさとコンクール -俳句部門 結果発表-

副賞の発送時期については3月中を予定しております

■総評 俳句の部審査委員長 松澤雅世

第十一回「お国自慢」ふるさと俳句コンクールに沢山のご応募を戴き誠にありがとうございました。北は北海道から南は沖縄まで全国よりお寄せ頂けるようになり、嬉しい限りでございます。各地の風土性やお国言葉には故郷への深い愛情と慈しみが籠められ、“日本人のこころ”を強く感じさせてくれます。また、「ふるさと会」の五県への応募が一段と増加し、楽しくなって参りました。「ふるさと会」への参加県が拡がっていただけることを願っております。日本固有の俳句という詩型により一層親しんでいただき、次回のご応募もお待ち致しております。


☆作句のポイント(句作りの基本)

1.五七五は十七文字ではなく十七音の韻律(リズム)。<字余り・字足らず可>

2.季語(季節の言葉)は、一句の中に一つ。<無季可>

3.”や・かな・けり”の切れ字は、一句の中に一つ。
松澤雅世 プロフィール

昭和28年東京生れ。俳誌「四季」主幹。現代俳句協会理事。東京都区現代俳句協会会長。
国際俳句交流協会評議員。日本文藝家協会会員。日本現代詩歌文学館評議員。
句集『蓮華始末』・『現代俳句の新鋭』・『遠』・『萌芽』など。

■大賞・(全日本空輸(株)賞)

ふるさととひらがなで書く雪ぼたる

林みさき 様

季語の「雪ぼたる」は雪虫のこと。雪婆(ゆきばんば)あるいは、跳虫(はねむし)とも言われ、雪国の雪の降る時期に現れる蚊んのような虫の俗称です。雪の表面近くを、もやもやと群をなして跳んだり、這い回ったりします。発生のメカニズムもあまり判っていない虫ですが、雪国特有の無視であることには違いありません。
 さて、ふるさとを漢字で書くと、古里・故里・故郷と表記されます。三つの漢字に宿る意味合いは少しずつ誤りますが、どの文字を使うかは各々の思いです。この作者は敢てひらがなを選んだわけです。ふるさとという音は同じでも、仮名文字で書くふるさとには、明るく平らかイメージが表出されます。作者はきっと安寧な心持なのでしょう。ふるさとの表記を基に着想されたところが出色であり、「雪ぼたる」の斡旋も美事でした。

■大賞・(全日本空輸(株)賞)

ふるさととひらがなで書く雪ぼたる

林みさき 様

■特別顧問賞・((株)ミライト賞)

味噌蔵にただよう菌や小六月

佐々木克子 様

■特別顧問賞・((株)共立メンテナンス賞)

早稲田から三ノ輪橋まで春の風

山中正己 様

■特別顧問賞・((株)東芝賞)

ふるさとの今空気まで桜色

池田栄子 様

■特別顧問賞・(オリックス(株)賞)

雪像の馬が駆け出す二十五時

石口榮 様

■特別顧問賞・(グローリー(株)賞)

湖を玉と抱ける初山河

伊東加寿 様

■特別顧問賞・(藤田観光(株)賞)

どこにでも座りどこでもにごり酒

大西誠一 様

■特別顧問賞・(大和ハウス工業(株)賞)

風船に飛びついてゆく声真白

洞田陽子 様

■特別顧問賞・(大和ハウス工業(株)賞)

金柑のふいをつきたる甘さかな

箕田康子  様

■特別顧問賞・(東急不動産ホールディングス(株)賞)

キャンドルや枯野の果てに父の駅

中尾公彦 様

■特別顧問賞・(富士フイルムホールディングス(株)賞)

灯火親し佐渡のかたちに寝転んで

森住俊祐  様

■副会長賞・((株)ニチレイ賞)

時雨るるや見渡す限り田は遊び

安部磯信 様

■副会長賞・((株)ゆうちょ銀行賞)

笑止千万のただ中の小春かな

伊東 類 様

山茶花を散らし鎮守の息遺ひ

河村正浩 様

石灼けて白きマリアの手より蝶

工藤進 様

■副会長賞・((株)東芝賞)

オリオンのふもと地図にはなき灯り

一井魁仙 様

あじさゐの百の株みて神の坂

大山実知子 様

北下しあの木この木も宝だよ

工藤ひろえ 様

自画像の仕上げは瞳万年青の実

瀬藤裕子 様

器量よく生れたばかりに水中花

原 恭子  様

■副会長賞・((公社)日本スポーツチャンバラ協会賞)

生み捨ての卵さんさん老いゆける

佐伯喜誠 様

水打っていつものやうにさりげなし

坂本捷子 様

一品は我が好物の酢牡蠣なり

佐藤和子 様

紅葉狩いのちをつなぐ山の水

角田律子 様

不偶人形幾百の目の夏に向く

長久保通繪 様

あかるみにあるうち語りたき冬日

中島多津子 様

メービウスの帯に垂れそう黄落期

成井恵子 様

枯葉からから突き当たる同伴者

広井和之 様

一畳の春の土なる鯨墓

堀口孝子 様

ふるさとの花火みえない空の果て

山本美智子 様

■副会長賞・(伊藤忠商事(株) 賞)

頓服をひとつ海辺に団扇置く

伊東  潔 様

落ち葉掻く人の温みを掻くごとく

南 博泰 様

■副会長賞・(成田国際空港(株)賞)

夜桜の仄かに染むる無人駅

佐々木美知子 様

■副会長賞・(全国郵便局長会賞)

電池入れ歩き出さねば雪がくる

赤澤敬子 様

春眠やうゐのおくやまへと続く

石井長子 様

粘りつくよう六月の麓の灯

栗原節子 様

春惜む誰かが笑ってくれるまで

塚越美子 様

木の実独楽民話の里へ帰ります

山本敏倖 様

■副会長賞・(第一生命保険(株)賞)

ひつそりと坐り直して山笑ふ

小野寺迪 様

湧き水に骨あり芹の育ちゆく

たむらのぶゆき 様

魂送り終へたる部屋の広さかな

深沢伊都子 様

気くばりをいつもしてをりカーネーション

翠川順子 様

■副会長賞・(東京地下鉄(株)賞)

花明りしどろもどろの裏目読み

小野寺俊子 様

凍星の途方にくれることのなし

瀬藤芳郎 様

くるぶしのところで曲がる春の水

高野公一 様

荻の声独り言とも会話とも

谷村義和 様

田も風も秋定まりて気球舞う

馬場陽子 様

すかんぽを噛んで青空大きくす

藤井八重子 様

下北がぬつと現るるよ夏霞

三上孝 様

もう一歩前に出ようよ女滝

翠川温子 様

■副会長賞・(東日本電信電話(株)賞)

雪囲お岩木山のうとうとと

石口りんご 様

花終わる吉凶はどちらでもない

伊東幸子 様

■副会長賞・(日野自動車(株)賞)

なにもかも失ひしより地虫出づ

小野寺遥 様

鈴虫に貸し出し中の寺領かな

橘 美泉 様

■副会長賞・(日立造船(株)賞)

ふるさとは即ち柿の木の一本

片山淳子 様

畦ごとに右へならえと曼珠沙華

田村美和子 様

ばあちやんのやうにかぼちやが笑つてる

藤澤拓也 様

忘れられぬ異国のグミの酸っぱさよ

山本麻理恵 様

■副会長賞・(日本電信電話(株)賞)

どの道を選び帰るも稲穂波

合志義文 様

観音の手よりこぼるる露の玉

古山礼子 様

モノクロの雪原彩る獅子の舞

佐々木武 様

新しき 年を見守る わらの蛇

佐々木紀子  様

今日明日の因果ふくめる干支飾り

廣井美津子  様

空真青棚田の水のしぶきけり

藤井サカエ 様

■ふるさと会担当副会長賞・(全国郵便局長会賞)

皺増えるほどに甘さの吊し柿

芦田芳久 様

揚雲雀空の広さを持てあまし

清水幹子 様

田の隅に案山子の眠る頃帰り

種村明雄 様

ぶどうがねみんなでなかよくはなしてる

前嶋 一花 様

平安の時から歌い継ぐ筑波

谷島要 様

■理事長賞・(東京電力ホールディングス(株)賞)

如月や骨董市にある生国

青木栄子 様

■担当理事長賞・(日本ハム(株)賞)

手鞠唄手のなる方が避難先

今野龍二 様

■審査員特別賞・((株)ゆうちょ銀行賞)

いつみても故郷の山は笑ってる

豊川健一 様

五月雨や錆の匂ひの橋渡る

長井清 様

ふるさとは悪人だって待っている

長尾聡 様

大木の影はいつでも若々しい

中道一浩 様

ひと休みしたらどうかと雪景色

中村一彦 様

■審査員特別賞・((株)東芝賞)

亡き父母が待っていそうなさとの駅

海老原順子 様

白鷺の堰より魚を見定めり

遠藤玲奈  様

秋天の笛に崩るる組体操

笠井民好 様

風通し良い教室の匂いかな

菊池洋勝 様

ふるさとの 風は七色 青山河

吉川弘子 様

袈裟ぬいで僧も祭の人となる

鈴木七郎 様

柿を剥くふるさとに母ある限り

千島宏明 様

■審査員特別賞・((公社)日本スポーツチャンバラ協会賞)

夕星を招くがごとし花薄

五百木 菜月 様

ふるさとは遠きほどよしあらばしり

板倉実 様

剥く柿の螺旋を辿る故郷かな

一斤染乃       様

里山の緞帳となる葛黄葉

井原三都子 様

波音はふるさとの唄春の唄

小泉信也 様

鰰の目玉ありあり日本海

小松真紀子 様

月山に一礼なして春田打つ

斉藤利彦 様

故郷の母の山茶花散ったころ

佐藤香澄 様

■審査員奨励賞・((株)オリエンタルランド賞)

裸婦像の髪なびかせて青嵐

小田中準一 様

主をらぬ庭の花石蕗灯りかな

小野泰之 様

■審査員奨励賞・(埼玉県賞)

父母眠る丘は風の見える場所

岸田重夫 様

■審査員奨励賞・(東京都区現代俳句協会賞)

本心は言わず新米置いてくる

秋谷菊野 様

今頃は光と風が鬼ごっこ

荒尾洋一 様

御開帳人さまざまの句読点

磯野博康 様

湖またぐ曲線に浮く朧の灯

井田あさみ 様

シャバーニの視線の先の照紅葉

伊藤弘子 様

風地蔵お愛想ほどに冬櫻

伊藤有紀 様

故郷史にとっぷりつかり大昼寝

江口武夫 様

■審査員奨励賞・(キッコーマン(株)賞)

元旦や 第二が第一 超す故郷

赤松桔梗 様

やわらかに座り冬陽をまといたる

秋野良子 様

あの頃のままに呼ばるる秋夕焼

芥川卓 様

お転婆が娘に変わるげんげの田

浅見敏夫 様

移住して四人目生まれ村まつり

石井かおり 様

ふるさとの夕焼溢れ大海へ

石関恵子 様

■審査員奨励賞・((株)アミューズ賞)

畳まれて日の匂い吐く鯉のぼり

井田寿一 様

「な」言葉の里のなまりで盆踊り

伊藤健之介 様

転んでも東京青葉できあがる

伊東幸子 様

鮭のよう 生まれ故郷に 戻りたる

稲葉崇裕  様

ふるさとは終わらぬ青い海の先

今野涼人 様

皹のできて母似の足の指

長永吉広 様

奥久慈の秘めておきたき鮎の宿

鹿志村のぼる 様

指呼の間に富士を仰ぎて三ケ日

勝又正弘 様

団栗といふふるさとを持ち帰る

金澤諒和 様

ザビエルの布教の井より天道虫

兼久ちわき 様

■審査員奨励賞・(N.T.Tコミュニケーションズ(株)賞)

露天湯をひとつ残して山眠る

叶昌彦 様

総立ちの向日葵 村は静かなり

木戸明子 様

虫干やときめき残る母の帯

葛岡昭男 様

かりがねも一気に下る故郷へ

久保由美子 様

みちのくの笑みのはじまり福寿草

粂田俊子 様

ふるさとにふと抱かれる冬の凪

古賀由美子 様

水澄める郷里いよいよ捨て難く

輿水蒼雨 様

アルプスの水を飲み干す猛暑かな

小林栄次郎 様

■審査員奨励賞・(東日本高速道路(株)賞)

春来るや干住大橋の向こうから

小林和子 様

微風に笑うが如し花菖蒲

座間英幸 様

閉じ込めた花火の音する冬風鈴

寒川靖子 様

うなぎ焼く煙香ばし夏も止む

静川流清 様

初売りや仙台商人気風よし

渋谷史恵 様